2015-08-30
鎌倉案内板(KAMAKURA)

我が編集長のクーの家出について
前回のブログで少し報告しましたが、実は8月の夏祭りが終わる頃突然クーが我が家に戻ってきたのです。
何故家を出たのか聞いても残念ながら彼は寡黙で答えはいつもニャーとしか言いません。
家を出てからはミルクホール(以前の彼の実家)の人々や、「いさむ」の人達が面倒をみてくれてました。
その間の事情はミルクホールが定期的に出版するTimesに書いてありますので、文を紹介させて頂きます。
Milk Hall Timesより転載
COLUMN 続・鎌倉の猫事情第四十七話
「近頃クウちゃん、元気がないみたいね」と、ミルクホールの裏路地のおしゃべり雀たちの噂は夏の始め頃からささやかれていました。
実際夏に入ってから急激に体が弱り始めていたのを、私もとても気にしていました。お隣の愛猫として十数年を暮らしてきた老猫クゥは、このミルクホールの先代猫グーニーとスィーピーの長男として15年前に生まれた猫です。
成長するにつれて両親との確執もあり、姉スミレと共に自ら隣の家へ、縁側から入り込み、ついには飼い猫としての地位を得たものでした。今ではこの界隈のグーニー一族の最後の生き証人として、シャム猫の風貌を強く残しているのです。
そのクゥちゃんも人間で言えば90歳になろうという高齢です。夏の盛りには、この猛暑のせいもあるでしょうか、まっすぐに歩けないくらいに弱っていました。毎日のように裏路地でお魚やお肉の残りなんかを食べに来ていましたが、よろよろと帰っていく弱り切った姿に涙がこぼれそうになったものでした。歩行が困難になり始めた頃何故かクゥちゃんは、ミルクホールのテラスに暮らすようになったのです。昼の間はテーブル下ににもぐりこみ、夜はテーブルに乗って月の光を浴びて寝ます。なにしろ今年の夏は、猛烈に暑く、雨も降りませんでした。テラスに居座ると、通りがかりの人たちが、「あ、猫!かわいい」といって構います。それほど愛想がよかったわけではないクゥがおとなしく知らない人にでも撫でられています。そのうち夏休みの子供たちが集まってきました。
「あ、猫」 「この猫はクゥちゃんっていうんだよ」 「知ってる!ミルクホールで生まれて、今はお隣の猫なんだよ。お父さんはグーニーでしょ?」 皆、よく知ってるんです。幼稚園児たちに囲まれたり、小学生がざざわざ見に来たり、クゥは大変な人気者になりました。その頃のクゥは、実に悠然と人気の的を務めていました。プレゼントをもって通うお父さんと姉妹の一家。通勤の行き帰りにもクゥの顔を見に来たものです。この夏の間、とにかくクゥは家にも帰らず、この裏路地に朝から真夜中まで一歩も動かず暮らしたのです。お隣は家に帰らないクゥを本当に心配し、寂しく思っていました。クゥはいったい何を思っていたのでしょう。
ところが、ようやく猛暑の峠を越えようとした頃、クゥは元気を取り戻し始めたのです。毎朝、窓からクゥの顔を見て、昼の暑い時間に生存確認した日々は終わりました。煮干しを握りしめてクゥに会いにきた子供た達も、もういないんだねと寂しそうに帰っていきました。
クゥのひと夏の変な冒険は、ようやく終わったのです。
以上がほぼ全文です。
注釈 「私」はミルクホールの美人ママさんで、Timesの素敵なエッセーの作者です。
お隣は私の事で元はランダムハウスの店長です。
家出中にお世話になった人達へこのブログを借りまして感謝の言葉を捧げたいと思います。
本当にありがとうございました。
また家出をする時は彼の寿命が尽きる時かと思っております。
クゥを可愛がった方々には再会を楽しみにして下さい。
また、ご近所の猫が嫌いな方々にもお詫び申し上げます。
ごめんなさい、老猫なのであまり遠方には行かないと思いますので宜しくお願い申し上げます。
ミルクホールのレンタルルームの紹介
レンタルルームはミルクホールの屋根裏風な可愛い部屋です。
平日は ¥5.000~ 土日祝日は ¥7,000~
下では素敵なジャズがレトロな空間に流れているのを聞きながらうとうとしたり、下から本を借りてきて
読書も秋の午後を過ごすのもお洒落ではないでしょうか、散歩したり、食事したり、まったりした時間と空間を独り占めできますよ。お隣の「いさむ」も和風で素敵な店なので一杯やるのも素敵ですよ。
詳しくはミルクホールへご連絡下さい。
電話 0467-22-1179


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